【サハラに死す】

正しく「若者の冒険の物語」。「冒険」という言葉は、もはやちょっと気恥ずかしい。それが連想させるような、歴史的な意味や人類の限界に挑戦するような探検とか発見を伴う試みなんて、すでに一般人の手の届く範囲にはないようにしか思えないから。
でも、そうではない、冒険は本質的にもっと個人的なもので、理由のつかない本能的な欲望みたいなものだ…ということを思い出させてくれる冒険の記録。

単独サハラ横断3000キロはその時点での記録としての価値もあったらしい。でも、記録はすぐに塗り替えられるもの。
その地に生まれ育って砂漠を知り尽くした遊牧の民でなく、若干はたちそこそこ、資金も装備も砂漠の技術もプロではない異国の一若者が過酷な砂漠に挑むのは、やっぱりそれが彼にとって、記録への挑戦というより、冒険だからなんだろうなあ。

全編を通して描かれる砂漠の民の温かさと文化が、過酷な土地がらを際立たせる。行き倒れそうな旅人には必ず、できるかぎりの親切、水と食べ物を差し出し、不足しがちな薬や嗜好品、日用雑貨と交換する…
そこには、私たちの目には過酷であっても、ごく普通の日常生活が冒険を取り巻いている。


山の話ではないのですが、そのうち載せたいと思っていた本。



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