甲斐駒ケ岳 Aフランケ 赤蜘蛛ルート(3)

その1から読む


■ 4Pめ(=5p)  (コージ)  5.7 25m
快適なピッチ。凹からスタートしてテラスの上に立ち上がると、開放的な空間、見上げると核心部のクラックが全貌を現す絶景スポット。

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そそりたつ岩壁が全貌を表す。こ、これは・・・


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■ 5p目 (=6p)  (Momo)  35m AA1

核心部、垂壁の直登クラック。凹角に開かれた巨大な岩壁が頭上にそそり立ち、青空へとすっきり伸びる幾筋のラインに、思わずあんぐり口が開く。確かに美しい。そしてただならぬ威圧感。

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・・・アブミなのに、怖い。


「ここ、行こうか?」
「カムは持ってく?」
「実は、ピンがあるかがちょっと心配なんだよねー。よく見てみて」




との問いかけに、カムフルセットを携えて、自分で行きますと答えたものの、
それが試練へのヒントだというのには、まだ気づいていなかったのであります・・・。

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わけもなく緊張して離陸すると、最初の数ピンがすでに遠くアブミ最上段、または、さらにチョンボ棒お出ましの間隔。が、10分ほど登り、わずかにハングした段差の部分を見上げると・・・






「ぎゃー!ピンがなーーいーーーー!!!!!」

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空中の衝撃。
私、このセクションがカムエイドになり、グレードが上がっていることに気づいていませんでした・・・。




「コージさん、ピ、ピンがないよーーーーーーーーーー!!!!!!」


「・・あ、そ〜お~?」


その声のトーンで、上空数10メートル上で私は気付いたのでありました。






・・・もしや、知ってたでしょ・・・!!!!?
→と言うより、もしや、知らなかったのか・・・!?と思われているわけですが。





言葉を失いつつ見上げれば、おそらく上部10(~15?)メートル続くフィンガークラックには、2-3mおきにたった3か所の怪しげなプロテクションがあるのみ・・・・カムの番手もおぼつかないのに、練習し損ねていたカムエイドを、ほぼぶっつけ本チャンで実践する羽目に。




覚悟を決めて、50センチおきのカムエイドをスタート。#0.4と#0.3の各2セットで粛々と前進するが、すべて回収しなければならないため、絶えず3か所にカムを入れておくことにした。クラックは時折幅が広がり、#0.5、#0.75、#1がバチ効きサイズ。

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3か所ある残置のプロテクションは、誰かのすり減った残置カム、豪快に千切れた元リングがついたままのボルトにボロスリングと細引き2本がタイオフされたもの、最後は謎の 金属ブロックに色褪せた細引きが結ばれたものだったが、前進用のカムしか持たない状況では本当にありがたい。

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AAパートを越えた上部で、フリーのラインと合流すると同時にボルトラダーに再会する頃には、20セット超あったヌンチャクも残りわずかとなったが、カムを遠めにセットすることもできるようになってきていた。

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右上数メートルで、フリーのラインとのクロスポイントにある、リングボルト3つのハンギングビレイ点に到着。スリングを芸術的に結び合わせ、左右にアブミ掛けポイントが、セルフビレイの上部にはフィフィのセットポイントが作ってあった。フィフィで体を支え、セルフにロープを置くと作業がしやすくなっていて、先人達の工夫と配慮に、妙に感心する。

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気づけば1時間半経っていた。





見下ろせば、たった35mとは思えない凄まじい高度感。

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前進用のカムを、ロープを伝ってフォローに送る。

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おおむね燃え尽きた私を尻目に、フォローは楽しげにあぶみラインから1mはなれたフリーのラインを登ってくる。途中からあぶみラインをフリーで登ろうとしていたがフィンガーサイズで足がうまく入らず、やはりムリという結論に達したらしく、A0でわしわし上がってきた。
この間にみるみる日が陰り、薄ら寒くなってくる。


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■6p目 着(=7p)  (コージ) 40m A1
「恐竜カンテ」を右上するアブミルート。コージさん、ここでやおらザックからアブミを取り出す。一応持ってきていたのですね・・・。このピッチも、ピン間隔はそこそこ遠い。

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が、「恐竜カンテ」は高度感と景色が素晴らしく、快適そのものです!元気があれば・・・。

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■ 7p目 (=8p) (コージ)  30m

上部がけっこう悪いスラブ。という情報を頂き、前回の宿題があるらしく再チャレ希望のパートナー氏に即お願いする。何手か小川山級の悪さ。ピッチ切れ目は小さなテラスで、終了点はカム3つで作成。

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鑑賞する余裕はないけど、紅葉が綺麗でした。

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■ 8p目 (=9p) (コージ) Ⅲ 80m?
この後は歩きだから、との言葉でアプローチシューズに履き替えたところ、思いのほかそこそこクライミングルート。これは記憶違いしないでしょう・・・と思ったが、前回行った時はきっとフリートライで消耗していたんでありましょう。おかげで、わざわざグレードを上げた緊張感ある3級クライミングという、トレーニング的デプローチとなる。

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つるべ落としの秋の日と競うように歩き、日の落ちたころ、八合目の岩小屋に帰着。



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甲斐駒ケ岳 Aフランケ 赤蜘蛛ルート / 4級上  5.8 AA1

2015.10.3 (土) 晴れ

07:40 北沢峠
10:00 駒津峰
11:00 甲斐駒ケ岳 山頂
12:00 八合目 岩小屋 ~昼寝 14:00
14:30 七丈小屋にて 水汲み
15:00 八合目岩小屋

10/4(日)  快晴
04:00 起床
05:40 八合目岩小屋発
06:40 基部到着
07:20 登攀開始
08:15 1pめ 着  
09:40 2pめ 着(=トポ 2.5p目)
11:00 3pめ(=トポ 4p目、大テラス) 着 11:40
12:25 4pめ 着(=5p)
14:30 5pめ 着(=6p)
16:10 6pめ 着(=7p)
16:50 7pめ 着(=8p)
17:40 8pめ (=9p)、Aフランケ頭の岩小屋 着
18:35 八合目岩小屋 着

9/5(月)
省略


■ギア類
60mロープ x2、アルパイン&フリーヌンチャク 25セット、アブミ
カムはフォローの前進用含めてこれくらいあると安心。#0.3-0.4 x3、 #0.5-2 x2、#3 x1
6pめリード使用分(前進用) #0.3 x2、#0.4 x2、#0.5 x1、#0.75 x1、#1 x1


■資料  ぜひ新しいもので♪
※タイムスタンプの中で参照している「トポ」は日本マルチピッチですが、フリーの「スーパー赤蜘蛛」の説明のみ掲載されているので、アブミで登る人は「日本の岩場」が良いと思います。 





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Comment

すごい!

ドキドキしながら読ませてもらいました。
おめでとう!!

  • 2016/08/10 11:34
  • 常吉
  • URL
  • Edit
Re: タイトルなし
常さん

ありがとうごさいます^_^
フロー状態を味わえたいい経験でした。


> すごい!
>
> ドキドキしながら読ませてもらいました。
> おめでとう!!
  • 2016/08/17 18:07
  • MomoPeachy
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